180°SOUTH ワンエイティ・サウス
【映画狂的評価】 「小さな子供と観たい」映画です

製作年: 2009年
製作国:アメリカ
原題:180°SOUTH
メーカー:キングレコード
出演者:イヴォン・シュイナード/ダグ・トンプキンス/ジェフ・ジョンソン
監督:クリス・マロイ
脚本:クリス・マロイ
※スタッフTEXTはTSUTAYAからの引用です。
簡単にこの映画の構成をお伝えすると、パタゴニアの創業者イヴォンとザ・ノース・フェースの創業者ダグ、彼ら二人の人生を変えた数十年前の旅の記録映像に感銘を受けた冒険家ジェフが、その旅を追体験してゆくといった話です。
ただそれだけの、お鮨のようにシンプルな作りでありながら、とても味わい深い作品に仕上がってます。暖炉の炎のように体の芯が暖まる(映像そのものは雪山の登山など寒そうな絵が多いけどヽ(・∀・)ノ)映画です。ドキュメンタリー映画だと、どうしても社会的問題について考えさせられる暗い作品が多いですが、この作品は紀行ドキュメンタリー作品なので大好きな人や子供とも一緒にゆったりと観れるように計算され作られています。10歳以上の子供がこの作品に興味を示すかどうかは疑問ですが、親の言うことをなんでもハイハイときく10歳未満の子供と一緒に観ることも視野に入れ制作されていると思われます。ただ紀行映画の名作『エンドレス・サマー』に感銘を受けた人は、その登山版といった印象しかないかもしれません。いずれにしても観れば観るほどバカになるTVドラマを観て貴重な人生の時間を浪費するよりか、余程有意義な一時を過ごすことができます。
パタゴニアの創業者は21世紀になってから日本でも頻繁に耳にするようになってきた『持続可能な社会』を作るための活動を随分と昔からされているようで、作品全体に金太郎飴のようにアウトドア&トラベラー的主張が散りばめられています。なのでキャンプや登山、サーフィンや旅など自然の中で過ごす一時をこよなく愛する人達にとっては本当にたまらない映画です。ただ個人的には、この作品で描かれている本格的な登山を観て、ますます山登りをする気が失せましたけどo(T□T)o
【制作者的視点】エンドレス・サマーの流れをくむ作りは参考にはなるが構成が安易なので反面教師的な部分も
持続可能な社会というのは、結論から言えば『自然との共存』がテーマです。この作品の登場人物達がそういった意識が強いことはナレーションや美しい自然の映像から伝わってくるのですが、彼らが旅をすることと持続可能な社会を作るための活動に何の共通点があるのか、まったくわからないという構成的欠陥があります。全編を通して、この『持続可能な社会』というものが唱えられているので視聴者はそれがテーマであることがわかりますが、じゃー一体どうすればいいのか?という結論が何も描かれていません。また、結論を鑑賞者にまかせるといった手法も特にとられていません。映像も美しくテーマも悪くないのに製作者達の薄っぺらな哲学が随所に滲み出ているような気がします。だいたい、アメリカなどの自然保護運動などでは日本の捕鯨などが大きな社会問題とされていますが、じゃー自国の一番の産業である軍需産業が産み出す殺戮兵器を売るために意図的に世界中で戦争を起こしているお前達の生き方はなんなんだよ?と思います。そう思いませんか?クジラももちろん大切ですが、お前達の国の利益のために罪のない子供達がこうしている今もお前達が作った武器によって殺されていることに何の疑問も感じないのか?イースター島で女ひっかけて山登りしてる場合なのか?とも感じます。本当に持続可能な社会を望むなら自然保護も大切だけど原子炉とか核爆弾の問題とかも少しは出てきてもおかしくないんじゃないのか?そういった、この映画のテーマであるハズの『持続可能な社会』の本質的なものは何も描かれてなくて残念ではありますが、ただの紀行作品として観れば本当に心暖まる作品です。
もちろん勉強になる部分も沢山ありました。反復される気のきいたテーマソングは心地良く、美しい映像に重ねられたナレーションは、よく考えなければ、とってもいい感じで頭に響いてきます。大自然と共にある幸せな一時、何ものにも変えがたい喜びであることがひしひしと伝わってきます。(でも、本当にそういったことを伝えたかったら雪山じゃない方が良くない?だって観てておっかないし、自然って怖いねーとしか感じられないようなカットが多々ある)ようやく編集し始めた自分の紀行映画のまとめ方の参考になりました。

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