エクス・マキナ EX_MACHINA
【映画狂的評価】 超知的な物語、最高に素晴らしいSF映画。

《お勧め度》
一人鑑賞:★★★★★★★★★★
カップル:★☆☆☆☆
親子:★☆☆☆☆
友達同士:★★★★★
公開:2016年6月11日(日本)
2015年1月21日(イギリス)
2015年4月24日(アメリカ)
製作国:イギリス
配給:ユニバーサル映画/パルコ(日本)
出演者:アリシア・ヴィキャンデル/ドーナル・グリーソン/オスカー・アイザック/ソノヤ・ミズノ
監督/脚本:アレックス・ガーランド
製作:アンドリュー・マクドナルド/アロン・ライク
ストーリー、映像、音楽、演技の全てが最高に素晴らしいとしか言いようがない名作です。本当に久々に心の底から映画を楽しめました。
この『エクス・マキナ』てっきりアメリカ映画とばかり思っていたのですが調べてみたら何とイギリス映画ではありませんか!しかも監督はあの小説『ザ・ビーチ』を書いたアレックス・ガーランド。えっ???そんなことってあり得るの?だって小説家が映画撮るっていったら、日本だったら村上龍が撮った『トパーズ』とかそういった類の話じゃん。確かに映画『トパーズ』も悪くなかったよ。いや、正直面白かった。しかし、やはり何処か映画制作素人的な感じが拭い切れない部分がありました。なので小説家が映画を撮るのは限界があるんじゃないのかい?ってずっと思ってました。それに意外ですよね?危ないバックパッカー旅行の話を書いた人が、21世紀の知の結晶である人工知能をテーマにした映画を監督するなんて。これはきっと何かの間違いに違いないと結構真剣に調べてしまいました。そして、やはり間違いでした。監督ではなくガーランドは総監督でした・・・・ってことだったら良かったのですが、、、なんと、この映画の監督&脚本はあの小説『ザ・ビーチ』の著者:アレックス・ガーランドです。うわ~マジ悔しい。えっ?何であんたが悔しがるのかって?う~ん、自分でもよくわかりませんが、とにかく凄いです。あんなに面白い小説を書いた次は、こんな傑作映画を監督するなんて素晴らしすぎです。たいていは何かヒット作を作ると有頂天になってしまい、そこから駄作ばかり作るようになってしまうものですが、この映画は小説『ザ・ビーチ』と同じレベル、いやそれ以上に面白いです。ここで言う面白いというのはハリウッド映画のような中身の無い痛快な娯楽作品としての楽しさではなく、人の命の秘密そのものを知るような人類の存在理由という哲学的で知的好奇心が満たされるような喜びであり、この広大な宇宙と私達の関係性を物語として感じさせてくれるような面白さのことです。108分程で人類の大いなる歴史や未来、そしてもしかしたら今この瞬間に世界の何処かで実際に起こっているかもしれない世界の歴史を塗りかえるような新たな命の誕生のシーンに、実際に私達が遭遇しているかのような面白さがあるということです。ビーチは映画の方が一般的には有名かもしれませんが原作の方が100倍近く面白く、そして、そのアレックス・ガーランドの豊かな感性を最大限に働かせて作られた映画がこのエクス・マキナです。最後までR15の意味が分かりませんでしたが、途中からラストにかけて女性といってもロボットですが多少乱暴に扱われるくだりがあるので、カップルでは観ない方がいいかもしれません。
【制作者的ぱくる視点】ストーリー、カットカットの映像、照明、美術の美しさ、そいて衝撃のラスト・シーンに至るまで知的創作活動の極みを垣間見れる作品
【参考要素1】
人類が新たな生命を誕生させるという壮大な物語を密室劇として描いたこと。
ある意味では人間の存在理由という哲学的なテーマを含む人工知能生命体の誕生という壮大な物語を、登場人物やロボットを敢えて密室に閉じ込めることによって上手く表現している。大きすぎるテーマを、その対極にある密室劇で描くという手法は大いに真似したい。
【参考要素2】
主な登場人物は2人の男と、一人の女人造人間。たった3人のキャストによって繰り広げられるSFサスペンス。
3人の他にもキョウコなどが出ていますが、たったこれだけの出演者で、この名作を制作した技術は見事というしかありません。物語のテーマが今の社会に問う価値のあるもので、物語そのもののエンターテインメント性、キャラの設定、そして登場人物達が遭遇する出来事さえ良ければ、低予算でも名作を作り得ることを実証した映画です。予算的な問題を愚痴る暇があるなら、お金をかけないで面白いものを作るアイデアを考えることに力を注げと言われているような気がしました。もちろん、この映画は日本的な低予算作品ではなく製作費約16.5億円かかっていますが、そのほとんどは宣伝費と監督、プロデューサーのギャラでしょう。ちなみに興行収益は約40.6億円だそうです。
【参考要素3】
出会い系アプリで展開したプロモーション。
出会い系アプリに、この作品の女人造人間エヴァの名でプロフィールを作成しインスタグラムのアカウント情報を掲載。そしてインスタにアクセスすると今回の映画のスチールや動画が投稿されているというPR活動。ま~レコード会社がアーチストにインスタのアカウントを作らせCDやDVDを売る手法と同じものですが、こういった宣伝活動は絶対必要でしょう。
【参考要素4】
社会的関心度の高いテーマを映画の題材にする。
ここ最近急速に人工知能の分野が発展を続けています。普遍的なテーマを選べば映画が必ず成功するわけではありませんが、人類の未来や、希望、可能性などを鏡のように映しだす映画という表現活動においてテーマ選びはとても重要なことを改めて感じさせられました。以下webdice&Wikipediaからの引用だが、現実社会でのAIの働きがどんどん強くなっていってます。
2014年6月・・・英王立学会でウクライナ在住13歳のユージーン・グーズマンなる少年に扮したAIがチューリング・テストに合格。査員の33%がユージーンくんを実際の人間だと判断。
2016年3月・・・米グーグルの子会社DeepMindが作成した囲碁対戦用AI「AlphaGo」が人間のプロ囲碁棋士に勝利。
2016年6月・・・米シンシナティ大学の研究チームが開発した戦闘機操縦用のAIプログラム「ALPHA」が、元米軍パイロットとの模擬空戦で一方的に勝利。
また、人工知能に対する懸念も本格化してきています。
【スティーブン・ホーキング博士】「人工知能の発明は人類史上最大の出来事だった。だが同時に、『最後』の出来事になってしまう可能性もある」
【イーロン・マスク】「AIは悪魔を呼び出すようなもの」
【ビル・ゲイツ】「これは確かに不安を招く問題だ。よくコントロールできれば、ロボットは人間に幸福をもたらせる。しかし、数年後、ロボットの知能は充分に発展すれば、必ず人間の心配事になる」

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